流木工房
温泉流木の工房は、2つとない形をした流木を扱います。
したがって、同じものは作れませんし、何ができるかもわかりません。
その流木は海や川に採りに行きます。
流木リサイクル業
流木はそのままの状態ではゴミとして存在します。
海や川にあるため、濡れていたり大量の湿気を含みますので、
何をするにもまずはざっくり洗って一度乾かしてからということになり、流木を利用するといっても結構面倒なものです。
大量にたまってしまう場所では、その(ゴミ)処理とそれにともなう工数や経費など、計り知れないものがあります。
そのような流木を少しでも数多く活用することができるなら、そして地球上で2つとない道具として再生し、
そして使ってもらえるなら、何かをつないだような気になったりします。
流木工房は、流木のリサイクル屋さんなのです。
(浜辺に打ち上げられた流木)
自然の断片として
自然は容赦なく弱いところをはぎ取り、再生させ、強くなるように育んでいきます。
流木はいわば、はぎ取られた断片ということもできます。
弱かったがゆえに川に落ち木の断片となった流木は、流れるうちに、弱い部分は水流で削られ、
強い部分のみが残ります。
耐えた流木は鍛えられ、とても強くなっています。
強くてやさしい流木をたくさん再生させてあげたいと思うのです。
流木工房の誕生に
温泉流木の工房は、熊本県阿蘇地方小国町の山間部にあるのですが、
熊本地震の前年秋から準備し始めました。
流木やシーグラスなどを拾いに行ったり、温泉での洗浄から作品に仕上げるまで試行錯誤していました。
それから春が進んだ平成28年4月半ば、2度にわたり大地震が発生しました。
特に第2回目の夜中に起こった震度7の本震では、すごい揺れとともに一時停電になり、
夜の暗闇でどうなってしまったかまったくわかりませんでした。
こちらは阿蘇と大分の両方の震源の中間地点なのですが、幸いにも大きな被害がなかったため、
地震が落ち着いたころから作業を開始することができました。
大地震が起ころうが、まわりの大自然はとても美しく、新緑の春から梅雨に入り緑は濃くなり、
そして夏へと進んでいきます。自然はいつもわたしたちを元気づけてくれます。
ところが、梅雨になると長雨の大雨に見舞われ、すぐ近くの崖が崩れてかなりひやりとしました。
秋には阿蘇山が大噴火しましたが、このときも幸い風向きはこちらではなかったため、
火山灰の被害は免れました。
この年熊本は災難ばかりでしたが、工房周辺は奇跡的にも無事であることができました。
自然に敬意を表し、元気を出してたくさんの作品を生み出していきたいと心より思いました。
そんな中で作成した第1号、次の「工房の初作」のページでご紹介いたします。