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ここは九州の大自然、世界にひとつしかない流木と阿蘇北部にある秘湯との出会い

びっくり松ぼっくり

松の木の下に松ぼっくりがたくさん落ちているのをご覧になったことがあると思います。
松は世界中に100種ほど、日本には6種が自生しています。世界中にあるマツ科マツ属の樹木ですが、 日本では縁起のよい木として知られます。
松の縁起の由縁は、厳しい大地にも根を張り、冬にも枯れず青々と緑を保つことから、 繁栄や不老長寿を意味することによります。
では、縁起のよい松の木になる松ぼっくりについてご紹介していきます。
実は今回、松ぼっくりについて調べてみたのですが、知らなかったことがいくつもあり、びっくりしている状況です。

松ぼっくり

(松の木になる松ぼっくり)

そもそも松ぼっくりとは

松ぼっくりは、松かさとも言い、「松笠」「松傘」「松毬」などと字が当てられています。
そもそも松ぼっくり、松かさは、松の木の何に当たるものなのでしょうか。

松ぼっくりは、松の木が付ける球果(きゅうか)と呼ばれる果実なのだそうです。 果実というと、桃の木のモモなどをイメージしますが、松ぼっくりにはそういったイメージはありませんね。
球果とは、裸子植物のスギ、ヒノキ、マツ、モミなどの果実で、 球形または楕円形に集まったうろこ状の葉(鱗片葉/りんぺんよう)が生長して、木化したものをいいます。
松の雌花が受粉後に成長、なんと2年越しでその鱗片葉が変化し、鱗片葉の間に次世代の種子を作ります。 そうして茶色くなった雌花こそが 松ぼっくり、松かさ と言われ、鱗片葉、つまりかさが開いてくると、 間に入っている種子が放たれます。
そして、すべての種子が落ちたとき、松ぼっくりが木から落ちるのだそうです。または、 強風が吹いたときなどのタイミングで落ちるようで、必ずしもそれは秋ではないのです。 松ぼっくりによっては、何年も落ちずに木にしっかり付いているものもあるようです。
したがって松ぼっくりを拾える時期は、1年中となります。
ただ、松の雌花の成長過程としては、秋ごろに初めて茶色くなり、松ぼっくりと言われる状態になるのです。 秋から冬にかけてが、たくさん収穫できます。

春の松

(春の頃、左は雌花 右は雄花)

松ぼっくりとなるまでの2年にわたる成長過程は、 「松ぼっくりができるまで」のページ(http://www.geocities.jp/sikinosyokubutu/te-mamatubokkuri.html) に写真付きでわかりやすく掲載されています。

松ぼっくりの種類

松ぼっくりが見られるのは、マツ科、スギ科、ヒノキ科の樹木です。形やサイズはそれぞれです。
日本で一番多く分布するのは アカマツ、そしてクロマツと続きます。
アカマツは樹皮が赤く、乾燥地ややせ地、山間部の尾根筋といった厳しい環境でもよく育ちます。 クロマツは海岸線に沿って多くみられる松、名勝として有名な松林が日本には多くありますね。 ちなみに皇居前の大芝生広場の2000本の松は、クロマツとのことです。

松の木と松ぼっくり

(コトバンクのページ内、マツのおもな種類(日本)〔標本画〕©藤島淳三
  https://kotobank.jp/word/マツ-1595357)

そのほかに、上図の標本画にはないのですが、大王松(ダイオウマツ/ダイオウショウ)という、 北米原産の松が日本でも関東以西の暖地で植えられているところがあります。
大王松はその名の通り樹高30m以上の大木となり、やはり松ぼっくりも大サイズ、 普通サイズの1.5~3倍ほど、10cm以上はあると思います。

松ぼっくりの知恵

落ちた松ぼっくりというのは、松としてはもう終了し、土に帰るものであると思われます。
そんな落ちている松ぼっくりですが、開いていている状態の松ぼっくりを水に漬けたりして濡らすとかさが閉じるのです。 逆に、閉じた松ぼっくりを乾燥させると、かさは開いてきます。松から落ちて何年もたっていても、そうです。
これは植物の知恵であり技術なのです。
松ぼっくりの中には種子が入っているのですが、種のまわりに薄い羽根(翼 よく)が付いていて、 風で飛ばされやすい形状になっています。 ところが雨の日などは、落ちてしまって遠くに飛ばすことができません。そこで松ぼっくりは、 雨の日に濡れるとかさを閉じて種子が飛ばないように守り、晴れた日には開いて種子を放つのです。
植物はそれぞれに知恵を凝らして子孫をつなぎます。松ぼっくりには、松の知恵が生きています。

松ぼっくりの種子

(松ぼっくりと種子、種のまわりの羽根が翼)

温泉流木の松ぼっくりは?

温泉流木の近場では、阿蘇やくじゅうに松が集中している場所がいくつかあります。
松は日本中にたくさんありますので、流木を採集するついでにいいところがあれば松ぼっくりも拾います。 拾った松は、もちろん温泉で洗浄し、その後乾燥させます。
あと、落ちている松ぼっくりを拾うケースと、落ちる前の松ぼっくりを少々いただくこともあります。 落ちる前の閉じている松ぼっくりを乾燥させていくと、よりバランスよくキレイに開いてきますよ。

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